料率の知識¶
社会保険料は 5 種類の料率から構成されます。それぞれ性質と改定タイミングが異なります。
5 種類の保険料¶
保険料 |
料率(令和 8 年度) |
折半 |
上限 |
概要 |
|---|---|---|---|---|
健康保険(介護なし) |
9.85% (協会けんぽ東京) |
労使折半 |
— |
都道府県・健保組合ごとに料率が異なる。協会けんぽは年 1 回(3 月分から)改定。 |
介護保険 |
1.62% |
労使折半 |
— |
40〜64 歳の 2 号被保険者のみ。健保料率に上乗せして徴収。年齢で自動切替。 |
厚生年金 |
18.30% |
労使折半 |
月 150 万円 |
平成 29 年 9 月分から 18.3% で固定(段階引上げ完了)。 |
子ども・子育て拠出金 |
0.36% |
事業主のみ |
月 150 万円 |
厚年標準報酬月額がベース。事業主が全額負担。社員天引きなし。 |
子ども・子育て支援金 |
0.23% (令和 8 年度) |
労使折半 |
年 573 万円 |
令和 8 年 4 月分(5 月納付分)から開始。健保と一体で徴収。令和 10 年度に向け 0.4% 程度まで段階引上げ予定。 |
「介護なし」と「介護あり」は分離して持つ¶
公式の保険料額表では 介護なし と 介護あり(2 号該当) が別建ての列として表示されます。例えば令和 8 年 4 月分以降の東京支部:
状態 |
健保料率 |
内訳 |
|---|---|---|
介護なし(2 号非該当) |
9.85% |
健保のみ |
介護あり(2 号該当) |
11.47% |
健保 9.85% + 介護 1.62% |
料率データは 介護なし基本料率と介護料率を分離保持 し、月次計算で介護該当フラグに応じて加算するか決めます(計算ロジック)。介護込み合算値で持つと、社員の年齢が 40 歳/65 歳の境界をまたぐ際に正しく切替できなくなるため、必ず分離保持してください。
協会けんぽ東京の料率履歴¶
scripts/build_payroll.py の RATE_HISTORY に投入されている値です。
重要
この表とコード側の RATE_HISTORY は手動同期です。料率改定で更新するときは、両方を同じ内容に揃える必要があります。手順は 運用ガイド を参照。
適用開始(納付月基準) |
健保(介護なし) |
介護料率 |
厚年 |
拠出金 |
支援金 |
備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|
2016-06-01 |
0.0996 |
0.0158 |
0.17828 |
0.002 |
0 |
既存ファイル開始 |
2016-09-01 |
0.0996 |
0.0158 |
0.18182 |
0.002 |
0 |
厚年改定 |
2017-03-01 |
0.0991 |
0.0165 |
0.18182 |
0.002 |
0 |
健保改定 |
2017-04-01 |
0.0991 |
0.0165 |
0.18182 |
0.0023 |
0 |
拠出金改定 |
2017-09-01 |
0.0991 |
0.0165 |
0.183 |
0.0023 |
0 |
厚年 18.3% 固定 |
2018-03-01 |
0.099 |
0.0157 |
0.183 |
0.0023 |
0 |
健保改定 |
2019-03-01 |
0.099 |
0.0173 |
0.183 |
0.0023 |
0 |
介護改定 |
2019-05-01 |
0.099 |
0.0173 |
0.183 |
0.0034 |
0 |
拠出金改定 |
2020-03-01 |
0.0987 |
0.0179 |
0.183 |
0.0034 |
0 |
健保改定 |
2020-04-01 |
0.0987 |
0.0179 |
0.183 |
0.0036 |
0 |
拠出金改定 |
2021-04-01 |
0.0984 |
0.018 |
0.183 |
0.0036 |
0 |
健保改定 |
2022-03-01 |
0.0981 |
0.0164 |
0.183 |
0.0036 |
0 |
健保改定 |
2023-03-01 |
0.10 |
0.0182 |
0.183 |
0.0036 |
0 |
健保改定 |
2024-04-01 |
0.0998 |
0.016 |
0.183 |
0.0036 |
0 |
健保改定 |
2025-04-01 |
0.0991 |
0.0159 |
0.183 |
0.0036 |
0 |
健保改定 |
2026-04-01 |
0.0985 |
0.0162 |
0.183 |
0.0036 |
0 |
健保改定 |
2026-05-01 |
0.0985 |
0.0162 |
0.183 |
0.0036 |
0.0023 |
支援金開始 |
注釈
2026-04-01 行と 2026-05-01 行で 支援金率だけが異なる ことに注目してください。これは「行ラベル = 納付月」セマンティクスによるもの。詳しくは 納付月セマンティクス を参照。
子ども・子育て支援金(新制度)の補足¶
公式情報を整理します。
項目 |
内容 |
|---|---|
開始時期 |
令和 8 年 4 月分(5 月納付分)から |
料率 |
令和 8 年度 0.23%、令和 10 年度に向け 0.4% 程度まで段階引上げ |
計算式 |
標準報酬月額 × 支援金率 |
負担 |
労使折半(健保と同じ扱い) |
徴収先 |
健保と一体で医療保険者(協会けんぽ等)が徴収 |
給与明細表記 |
公的医療保険料と区分表示するよう協力依頼(義務ではない) |
既存「拠出金」との違い |
拠出金は事業主のみ・厚年と一体。支援金は労使折半・健保と一体。両者並存。 |
標準報酬月額 88,000(等級 4(1))の保険料額(令和 8 年 4 月分以降・東京)¶
公式表からの引用。本プロジェクトの計算結果はこれと一致します。
項目 |
料率 |
全額 |
折半額(表記) |
実徴収(50 銭超切上げ) |
|---|---|---|---|---|
健保(介護なし) |
9.85% |
8,668.0 |
4,334.0 |
4,334 |
健保(介護あり) |
11.47% |
10,093.6 |
5,046.8 |
5,047 |
厚年 |
18.30% |
16,104.00 |
8,052.00 |
8,052 |
子育て支援金 |
0.23% |
202.4 |
101.2 |
101 |
各値は 協会けんぽ R8 料額表 PDF(東京) で直接確認できます。
端数処理の根拠¶
協会けんぽ料額表の注釈より:
① 事業主が、給与から被保険者負担分を控除する場合、被保険者負担分の端数が 50 銭以下 の場合は 切り捨て、50 銭を超える 場合は 切り上げて 1 円 となります。
② 被保険者が、被保険者負担分を事業主へ現金で支払う場合、被保険者負担分の端数が 50 銭未満 の場合は 切り捨て、50 銭以上 の場合は 切り上げて 1 円 となります。
(注)①、②にかかわらず、事業主と被保険者間で特約がある場合には、特約に基づき端数処理をすることができます。
本プロジェクトは①(給与控除)前提で実装。詳細は 計算ロジック を参照。
賞与の上限(参考・本プロジェクト未対応)¶
保険 |
上限 |
|---|---|
健保・介護・支援金 |
年間 573 万円(累計、毎年 4/1 〜翌 3/31) |
厚年・拠出金 |
月間 150 万円 |
詳細は 既知の制限 を参照。