Review Context ガイドライン¶
Review Context は GitHub Issue テンプレートに含まれるセクションで、コードレビュー時にレビューエージェントが参照する補足情報を提供します。 diff に含まれない関連情報を記載することで、レビューの分析範囲を広げ、指摘の精度向上に寄与します。
背景¶
hachimoku のレビューエージェントは、通常 diff 内のコードを分析対象とします。 しかし、変更が他のファイルや設定に波及する場合、diff のみの分析では影響を見逃すことがあります。
例として、設定のデフォルト値を変更した際に、テンプレート内の旧デフォルト値が更新されていないケースがあります。 このような diff 外の波及影響は、Review Context に影響範囲を記載することでエージェントの調査対象に含められます。
各フィールドの記入ガイド¶
Review Context は 3 つのフィールドで構成されます。
関連仕様¶
変更に関連する仕様書・ドキュメントへの参照を記載します。
- 目的
レビューエージェントが仕様との整合性を検証するための情報源を提供する
記入する内容:
spec ファイルのパスとセクション・要件番号
関連する憲法の Article
関連する Issue 番号や PR 番号
docs/ 配下の関連ドキュメント
粒度の目安:
ファイルパスだけでなく、具体的なセクションや要件 ID を併記する
複数の仕様に関連する場合はそれぞれ記載する
良い例:
# Issue #152 より — spec のセクションと要件 ID を明示
- specs/005-review-engine/spec.md — FR-RE-002(パイプライン Step 1-9)、FR-RE-008(ReviewReport 集約)
- specs/005-review-engine/data-model.md — ReviewReport 構造
# Issue #150 より — 憲法の Article と関連する原則を明示
- 憲法 Art.4(シンプルさ)— 不必要なラッパー・過剰抽象化禁止
- specs/003-agent-definition/spec.md — エージェント定義の TOML 構造
不十分な例:
# ファイル全体を指しており、エージェントが参照すべき箇所を特定できない
- specs/005-review-engine/spec.md
影響範囲¶
直接変更するファイル以外に影響を受ける可能性のあるファイル・設定を記載します。
- 目的
レビューエージェントが diff 外の波及影響を調査するための対象を特定する
記入する内容:
diff に含まれないが影響を受けるファイルのパス
影響の種類(設定の互換性、インターフェース変更、テスト等)
変更前後の具体的な値がある場合はテーブル形式も有効
粒度の目安:
ディレクトリではなくファイル単位で記載する
影響の種類を括弧で補足する
良い例:
# Issue #155 より — テーブル形式で影響ファイル・現在の値・変更後の値を列挙
| ファイル | 現在の値 | 変更後 |
|----------|----------|--------|
| src/hachimoku/models/config.py:83 | claudecode:claude-sonnet-4-5 | claudecode:claude-opus-4-6 |
| src/hachimoku/agents/_builtin/code-reviewer.toml:3 | anthropic:claude-sonnet-4-5 | anthropic:claude-opus-4-6 |
# Issue #148 より — ファイルパス + 変更内容の要約を箇条書き
- src/hachimoku/engine/_selector.py — SelectorOutput モデルに 4 フィールド追加
- src/hachimoku/engine/_instruction.py — build_selector_context_section() 新規関数追加
- src/hachimoku/engine/_engine.py — Step 5-6 間にメタデータ伝播ロジック追加
# Issue #150 より — 変更対象が限定的な場合は簡潔に
- src/hachimoku/agents/_builtin/type-design-analyzer.toml(唯一の変更対象)
- Python コード変更なし
不十分な例:
# ディレクトリ全体を指しており、調査範囲を絞り込めない
- src/hachimoku/
既存パターン参照¶
一貫性を保つべき既存の類似実装を記載します。
- 目的
レビューエージェントが一貫性の評価基準を持ち、既存パターンとの乖離を検出できるようにする
記入する内容:
参照先のファイルパス
具体的なパターン名(クラス、関数、構造等)
何が「類似」かの説明
粒度の目安:
「同様のパターン」だけでなく、何のパターンかを具体的に示す
良い例:
# Issue #148 より — 関数名と役割を明示
- src/hachimoku/engine/_instruction.py の build_review_instruction() — user_message 構築の既存パターン
- src/hachimoku/engine/_engine.py Step 4-6 — 現在の user_message からコンテキスト構築フロー
# Issue #152 より — 同一アーキテクチャパターンの参照先を列挙
- src/hachimoku/engine/_selector.py の SelectorOutput — 構造化出力モデルのパターン
- src/hachimoku/agents/models.py の SelectorDefinition — TOML 定義モデルのパターン
- src/hachimoku/agents/_builtin/selector.toml — ビルトイン TOML 定義のパターン
# Issue #155 より — 処理ロジックのパターン
- _model_resolver.py でプレフィックスに応じたモデル解決を実行
不十分な例:
# 何のパターンかが不明で、エージェントが一貫性を評価できない
- 同じパターンで実装
レビュー品質への影響¶
Review Context の記入状況は、レビューエージェントの分析範囲に影響します。
- 関連仕様が記入されている場合
エージェントは仕様との整合性を検証対象に含めます。記入されていない場合、仕様違反の検出はエージェント自身の調査能力に依存します。
- 影響範囲が記入されている場合
エージェントは記載されたファイルを調査対象に含めます。記入されていない場合、diff 外の波及影響(設定ファイルの旧値残存、インターフェース不整合等)を見逃す可能性があります。
- 既存パターンが記入されている場合
エージェントは既存パターンとの一貫性を評価基準に含めます。記入されていない場合、プロジェクト内の類似コードとの不整合を検出できない場合があります。
記入の原則¶
- 分かる範囲で記入する
確実に把握している情報のみ記載します。全フィールドの記入は求められません。
- 空欄は許容される
不正確な情報はエージェントを誤った方向に誘導するため、確信がない場合は空欄にします。
- 後から追記できる
Issue 作成後に判明した情報はコメントで補足できます。
- 推測を含めない
「おそらく影響がある」程度の不確実な情報は記載しません。確認が取れた事実のみを記載します。