# 既知の制限とスコープ外 `給与計算.xlsx` で **対応していない範囲** と、対応する場合に必要な変更を整理します。 ## 賞与計算 ### 制限 賞与に係る保険料計算は実装していません。月次の標準報酬月額のみが計算対象です。 ### 対応するなら - 別シート「賞与計算」を追加 - 標準賞与額(賞与額の 1,000 円未満切捨て)を計算する列 - 上限処理: - 健保・介護・**支援金**: **年間 573 万円**(毎年 4/1 〜翌 3/31 累計) - 厚年・拠出金: **月間 150 万円** - 累計管理列(年度内の標準賞与額累計を XLOOKUP/SUMIFS で集計) ## 雇用保険・労災保険 ### 制限 社会保険(健保・厚年・拠出金・支援金)のみで、労働保険(雇用・労災)は対象外です。 ### 対応するなら - 月次計算に列追加: - 雇用保険: **社員負担**(令和 7 年度 0.55%)+ **事業主負担**(0.85% 等業種別) - 労災保険: **事業主のみ負担**(業種別料率、給与総額 × 料率) - 業種マスタを別シートに用意(料率が業種で大きく違うため) - 雇用保険は給与額面ベース、労災は賃金総額ベースなので、**ベース額の列を社会保険と分ける** 必要あり ## 複数社員対応 ### 制限 対象は 1 名のみです。複数社員を扱うには再設計が必要です。 ### 対応するなら - 「社員マスタ」シートを新設(社員 ID・氏名・生年月日・標準報酬月額・給与額面・介護有無 等) - 月次計算をテーブル化し、**社員 ID 列** を追加 - 月次計算の各行は `(社員 ID, 年, 月)` のキーになる - 設定シートは「会社情報」だけ残し、社員固有情報はマスタへ移動 - 集計シート(月別納付額・年末調整向け年計など)を追加すると実用的 ## 任意継続被保険者・3 号被保険者 ### 制限 「協会けんぽ被保険者(2 号)・40〜64 歳の介護該当判定」だけを実装しています。 ### 対応するなら - 任意継続被保険者: 標準報酬月額の上限(令和 8 年度の協会けんぽは **320,000 円**)を考慮 - 産休・育休期間中の **保険料免除**(申請ベース・健保・厚年・支援金が対象、拠出金も) - 月途中で資格取得・喪失した場合の日割り計算ルール ## 都道府県の選択 ### 制限 協会けんぽ **東京支部** の料率を前提にしています。 ### 対応するなら - 料率マスタに「都道府県」列を追加 - 設定シートに「適用都道府県」を追加し、月次計算は (適用開始日, 都道府県) で XLOOKUP ## 健保組合・共済組合への切替 ### 制限 協会けんぽ前提で、健保組合や共済組合(独自料率)には未対応。 ### 対応するなら - 料率マスタに「健保保険者」列を追加 - 適用料率の取得を XLOOKUP の組み合わせ(または FILTER 関数)に変更 ## 源泉所得税・住民税 ### 制限 社会保険料のみで、所得税・住民税は別管理が前提です(預り金科目を分けて運用)。 ### 対応するなら - 別ブック / 別シートで管理するのが実務的 - 一体管理したいなら、月次計算に列追加(所得税・住民税)+ 年末調整連動 ## XLOOKUP 関数の互換性 ### 制限 `XLOOKUP` は **Excel 2021 以降 / Microsoft 365** で使用可能です。LibreOffice Calc や旧 Excel では動作しません。 ### 対応するなら - INDEX + MATCH の組み合わせで書き直し(やや複雑になる) - LibreOffice の場合は ODS 形式で保存し、XLOOKUP 互換性を確認 ## CI / デプロイ自動化 ### 制限 ドキュメントの自動ビルド・デプロイは未設定です。 ### 対応するなら - `.github/workflows/docs.yml` を追加して、push 時に `sphinx-build` 実行 - GitHub Pages または Read the Docs でホスティング - Excel ファイルの差分を機械可読な形式(JSON 等)に変換するスクリプトをコミットフックに ## PDF 出力 ### 制限 HTML 出力のみです。 ### 対応するなら - `conf.py` に `latex_documents` を追加して LaTeX 経由 PDF - 日本語 PDF は `latex_engine = "lualatex"` 推奨(`uplatex` でも可)