# 概要 `給与計算.xlsx` は、マイクロ法人(1 人法人)向けに社会保険(協会けんぽ + 厚生年金)の月次保険料を計算するための Excel ブックです。協会けんぽ東京の保険料額表を一次情報とし、公式の端数処理ルールに準拠して算出します。個人事業主本人の国民健康保険 + 国民年金は対象外です。 ```{note} **サンプル公開**: 生成済みのブックを [`sample/給与計算.xlsx`](https://github.com/drillan/solo-shaho/blob/main/sample/%E7%B5%A6%E4%B8%8E%E8%A8%88%E7%AE%97.xlsx) で閲覧できます。設定シートには架空人物「サンプル 太郎」(生年月日 1986/4/15) のデータが入っており、2026/4 行から介護該当判定が動作します。 ``` ## ブック構成 ```{list-table} :header-rows: 1 * - シート - 役割 * - 設定 - 氏名・**生年月日**・標準報酬月額/給与額面の現行値(備忘) * - 料率マスタ - 適用開始日 / 健保(介護なし) / 介護料率 / 厚年 / 拠出金 / 支援金 / 備考 * - 月次計算 - 各行で生年月日から介護該当を判定し、健保適用料率を動的合算。残額方式で事業主負担を算出。 ``` ## 主な特徴 - ✅ 納付額を**告知書(保険者)単位で合算後 1 円未満切捨て**し、公式の納入告知額と一致(残額方式) - ✅ **介護該当**を生年月日から自動判定(40〜64 歳の境界も誕生日基準で正確) - ✅ **子ども・子育て支援金**(令和 8 年 4 月分から)に対応 - ✅ 料率を別シートにマスタ化、改定時は 1 行追加するだけ - ✅ 入力列・派生列・検算列を**着色で区別**(黄/灰/緑) ## 端数処理 — 告知書単位の合算丸め + 残額方式 納入告知額は保険料の種別ごとではなく **納入告知書(保険者)単位で合算してから 1 円未満切捨て**します(協会けんぽ料額表の脚注)。告知書は次の 2 グループです。 - **協会けんぽ**: 健康保険料(介護込み) + 子ども・子育て支援金 - **年金機構**: 厚生年金保険料 + 子ども・子育て拠出金 社員側は折半額の欄ごとに法定の 50 銭超切上げで算出し、事業主側は各グループの「**告知額 − 社員側**」(残額方式)で求めます。これにより、グループごとに `社員側 + 事業主側 = 告知額` が必ず成立します。 ```{math} :label: residual 納付額 = \sum_{\text{告知書}} \left\lfloor \sum_{\text{グループ内保険料}} 全額 \right\rfloor ``` 例: 標準報酬月額 88,000・健保 11.47%・支援金 0.23%(2026 年 5 月納付分・介護該当)の場合 - 健保(全額) = 88,000 × 0.1147 = **10,093.6**、支援金(全額) = 88,000 × 0.0023 = **202.4** - 協会けんぽ告知 = `ROUNDDOWN(10,093.6 + 202.4)` = **10,296**(種別ごとに切り捨てると 10,093 + 202 = 10,295 で **1 円不足**) - 協会けんぽ・社員 = 5,047(健保)+ 101(支援金)= **5,148** - 協会けんぽ・事業主 = `10,296 − 5,148` = **5,148**(+1 円はここに乗る) ```{warning} 2026 年 5 月納付分から始まる**子ども・子育て支援金**は協会けんぽ告知に健保と同居します。健保(銭端数 0.6)と支援金(銭端数 0.4)の端数が告知書内で合算されて 1 円になるため、種別ごとに切り捨てると納付額が公式の通知額より 1 円少なくなります。支援金導入前は協会けんぽ告知に端数を持つ保険料が健保しか無く、種別丸めと合算丸めが偶然一致していました。 ``` 詳細は次章以降を参照してください。 - [シート仕様](sheets.md) - [計算ロジック](../reference/logic.md) - [料率の知識](../reference/rates.md) - [納付月セマンティクス](../reference/semantics.md)